日系人とコナコーヒー
今でこそハワイ土産で有名になり、日本でもよく知られたハワイのコナコーヒーですが、僕がハワイ島コナに赴任した当時は衰退の一途を辿っていました。ハワイのコーヒー栽培の歴史は古く、1820年代に遡ります。一時は、ハワイのどの島でも盛んに栽培されたコーヒーですが、サトウキビがそれに取って代わりました。しかし平地が少なく溶岩が多いコナでは、そのままコーヒー栽培が残ったのです。コナコーヒー栽培を担ったのは、19世紀に入植した日本人移住者達。その後世界的にコーヒーの需要が増え、一家総出で収穫や精選に携わり、コナだけは学校もコーヒーの収穫に合わせて学期が組まれる程の産業に成長しました。
しかし1929年におきた世界大恐慌で市場がなくなり、これがコナコーヒーにとって最初の試練でしたが、その後世界のコーヒー消費も徐々に戻る兆しをみせ、第二次世界大戦が始まるとアメリカ軍が大量に仕入れるようになり、生産者も息を吹き返していきました。