ブルーマウンテンは変わってしまっていた...
一口にブルーマウンテンコーヒーと言っても、栽培される地域によってその味は異なります。ジャマイカのブルーマウンテン山脈の北斜面と南斜面では、土の質も気候も違いますから、風味が変わるのは当然なのです。しかし、これまでこのような説明はされてきませんでした。僕は、1981年から1989年までの7年半、ブルーマウンテンコーヒーの開発、買い付けの仕事でジャマイカに駐在しました。ですからMi Cafeto社を設立しGrand Cru Caféの販売を始めた際、古くからの知人達から、どうしてブルーマウンテンコーヒーも販売しないのかと尋ねられました。
理由は、簡単です。僕がジャマイカにいた当時のブルーマウンテンコーヒーが、今では手に入らなくなってしまったからです。当時のブルーマウンテンコーヒーの総生産量は、130トン足らずでしたが、現在ではその10倍前後生産されています。昔のブルーマウンテンコーヒーの素晴らしさを知っている僕は、今のブルーマウンテンコーヒーをGrand Cru Caféに加えることはどうしてもできなかったのです。