太陽からの恵みをこめて
カルメン農園の開園は1950年。当時弁護士をしていたエフライン フランセスチ氏は、中央アメリカで最も高い火山のひとつであるバルー火山の北斜面に位置するボルカン村で、長年の夢を叶え「カルメン農園」を開園しました。カルメン農園の中でも特に環境に恵まれた一級畑「エレデーロ デ ファミリア」で育ったカトゥーラ種は、既にミカフェートから紹介されており、多くの日本のコーヒーファンを魅了してきました。
この「エレデーロ デ ファミリア」で収穫された完熟豆は、パナマの伝統的な精選方法である水洗式で処理されていますが、研究熱心な農園主カルロス アギレラは、果皮と果肉が付いたまま乾燥させる精選方法『ナチュラル』に挑戦すると言い出しました。
この製法の難しさは、注意を怠ると実にカビが生えたり、発酵臭がついてしまうことです。数日天日で乾かした後、乾燥機に入れて強制的に乾燥させればこのリスクは減りますが、本来のナチュラル風味が出てきません。また、おいしいナチュラルを作る秘訣は、豆の周囲に付着したミューシレージ(甘い粘質)の量です。寒暖差が大きい畑で成長したチェリーを、完熟まで樹で熟成させると、甘いミューシレージが豊富なチェリーができあがります。
今回挑戦したナチュラルも、一級畑の恩恵を受けてミューシレージをたっぷり蓄えた完熟豆だけを使用し、太陽の下で日に何度も反転させながら丁寧に乾燥させて完成させました。素晴らしいアロマと濃厚な甘みが際立つ極上のナチュラル製法のコーヒーです。