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グアテマラ

サン セバスティアン農園 ナチュラル

数々の上質なコーヒーを生み出してきた、中米グアテマラはアンティグアの名園「サン セバスティアン農園」から、Grand Cru Caféで初めてナチュラルのコーヒーが届きました。標高2,000メートルの高地でつくられた上質なブルボン種を、通常の倍の時間と手間をかけて乾燥させることで完成した、芳醇で深い甘みが楽しめる最高級のナチュラルです。

【風味の傾向】
様々なフルーツの香りが織りなすフレーバーと貴腐ワインを思わせる濃厚な甘さ。とろみのあるマウスフィールとジューシーな酸味が感じられ、全体が上品に纏まっている。
生豆生産国:グアテマラ
生豆産地:サカテペケス県 アンティグア市
農園:サン セバスティアン
セクション:コンセプション ドゥラスノ
農園主:ホセ ミゲル ファジャ
標高:2,000m
栽培品種:アラビカ種 ブルボン
サイズ:スクリーン 16~18

味、香りの特徴

2018年度

アイスワインのような濃縮された甘さとアマレットのような風味、とろみのある質感。時折みせるローズの様な香り。ブルボン種のナチュラルプロセスとは、本来かくあるべきという決定的な味わい。

2019年度

数多の果実を彷彿とさせる香りに始まり、躍動感があり、果汁がほとばしるかのようなジューシーで強い酸味が続くものの、全体のバランスはしとやかに上品にまとまっている。ウイスキーや梅酒を飲み干した後、空いたグラスにゆらめくほのかな甘さをいつまでも感じさせる。

2020年度

強いインパクトがありながら、構成するフレーバーや味わいの品格は高く、まさに壮麗の一言。中心から扇状に広がり続けるプラムのような酸の印象は、やがて濃厚なチョコレートの甘さへと連なり、消えゆく花火のようにフェードアウトしていく。

2021年度

鮮やかなコンフィチュールを思わせるしっとりとした甘さとベリーのフレーバー。軽やかでグリッシーニのような芳ばしさや、中盤よりフェードインしてくるオレンジの酸など脇役がボリューム感を演出し更に華やかに見せる。絶妙なバランスを保ちながら、包むように全ての楔となる濃厚なチョコレート。溜息が出るほどの完成度を見せる琥珀色の液体は、流麗な舞いにも似た気品を纏う。

サン セバスティアン農園について


中米・グアテマラのアンティグアの中で、極上のコーヒーを産出することでひときわ有名な「サン セバスティアン農園」は、1890年にスペインから移住したサルバドール・ファジャ氏によって拓かれた。

僕がこの農園を初めて訪れたのは1989年。当時の四代目農園主マリオ・ファジャが、農園内をくまなく案内してくれた。

それまで僕は、エル サルバドルで栽培技術を学び、世界最高と言われたジャマイカのブルーマウンテンコーヒー農園の開発を成し遂げていたので、少なからずプライドと自分が作った農園への愛着があった。しかし、サン セバスティアン農園を訪れて目の当たりにしたのは、栽培・精選技術の高さはもとより、国際相場に関係なく代々受け継がれた農法を守り、品質を追求する姿勢だった。僕は一瞬打ちのめされ、同時に情熱が湧き上がってきた。その時の感動を今でも忘れられない。それからこの農園通いが始まり、五代目の現農園主エストゥワルド・ファジャと共に最高品質のコーヒー作りを追及している。

ブルボン ナチュラルの誕生



2008年に初めてGrand Cru Caféを世に出したが、その3年後このサン セバスティアン農園の一級畑ドゥラスノ グランデで収穫されたブルボンを、ナチュラル製法で日本に紹介した。さすがサン セバスティアン農園の乾燥技術は、120年の農園経営に裏打ちされていて、素晴らしいコーヒーを作ってくれた。

果皮とミューシレージ(甘い粘質)を取り除き乾燥させるウォッシュトに対し、果皮が着いたままのコーヒーチェリーを乾燥させるナチュラルは、時間が掛かる上に神経を使う作業だ。ウォッシュトの乾燥は、10日前後で完了するが、ゆっくり乾燥させミューシレージの風味と甘味が豆に浸透させるには23日前後掛かる。この間、一日に何回も反転させ豆が均一に乾燥し、更にカビが生えないようにしなければならない。それをこの農園は、見事にやってのけ、最高のブルボン ナチュラルを世に出した。

そこで、2018年の収穫では、満を持して特級畑コンセプション ドゥラスノで穫れたブルボンで挑戦したのだ。標高2,000mでゆっくり熟したブルボンのチェリーは、ジューシーで甘い。この甘みが、豆に浸透しフルーティーかつワイニーなコーヒーに仕上がった。
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