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パナマ

コトワ農園 ゲイシャ ウォッシュト

特級畑「リオ クリスタル」で収穫されたゲイシャ種を、収穫後に果肉を取り除き、水洗してから天日乾燥させる昔ながらの精選方法"ウォッシュト(水洗式)"で仕上げました。収穫された完熟豆は、果肉を取ってから農園内の澄んだ湧き水で水洗いし、100パーセント天日乾燥で精選されます。その後、何通りもの選別で厳選され、鮮度を落とさないよう空輸で日本に運ばれます。

【風味の傾向】
フローラルな香りと爽やかなフルーツの風味。透明感のある酸味と滑らかな余韻は、まるで熟成させた白ワインのよう。
生豆生産国:パナマ
生豆産地:チリキ県 ボケテ地方
農園:コトワ
セクション:リオ クリスタル
農園主:リカルド コイナー
標高:1,900m
栽培品種:アラビカ種 ゲイシャ
サイズ:スクリーン 16~18

味、香りの特徴

2015年度

フローラルな香りと爽やかなフルーツの風味。透明感のある酸味と滑らかな余韻は、まるで熟成させた白ワインのよう。

2016年度

ほのかな香ばしさと共に、フローラルな香りと青りんごのようなさわやかな風味が広がる。甘く長い余韻と気品ある味わい。

2017年度

ジャスミン、沈丁花、レモングラスの香り。徐々にパッションフルーツ、洋ナシの風味が表れる。繊細で澄んだ酸で余韻が長く続く。

2018年度

レモングラス、ローズマリーの爽やかなトップノート、はちみつの甘い風味、きのこ類の出汁のような旨味。3つのトーンが織りなすハーモニーはまるで弦楽三重奏を連想させる。

2019年度

新芽のたなびく草原に力強く根付く柑橘の香りをふんだんにまとい、輪郭のはっきりとした直線的な酸味が、スパークリングワインのように口腔に広がる。ボディには高い透明感があり、軽やかで、滑らか。ジャスミンやレモングラス、パインなどが様々な顔をのぞかせる心地よい複雑さが全体をまとめる。

2020年度

ゲイシャ種の最大の特徴であるレモンの香りを軸に、マドレーヌのようなしっとりとした甘さ、乳化したかのようなトロミと飲み応え。絢爛豪華という言葉があてはまるほどのフレーバーと酸、磨き上げられた日本酒にすら通ずる透明感。隙のない芸術的な洗練美。際立つ個性と温雅が並び立つ傑作。

2021年度

溢れんばかりの瑞々しさと透明度、軽やかでありながら繰り返し寄せては返すペールトーンの甘みとゲイシャ種特有のフレーバーが、旨みにも似た余韻が厚みを形成している。一面に広がる柑橘系の酸は海に映る水影のような煌めきが常にたゆたい、美しく柔和な刺激が心地よく続く。

コトワ農園について

創始者はカナダの政治家アレグザンダー・ダンカン・マッキンタイアー。1918年、政争に疲れ果て新天地での暮らしを夢見ていた彼は、新聞でパナマのコーヒー名産地、ボケテを知り興味を抱いた。早速、現地へ赴き、ミステリアスなバルー火山の麓に広がる景色と爽やかな気候に魅入られて移住を決意し、コーヒー栽培を始めた。当時は、電力がボケテに届いていなかったため、バルー火山から流れる豊富な水を利用して水力発電のコーヒー精選工場を作り、すべて自然の状態で栽培から精選・乾燥まで行った。

収穫が始まりヨーロッパに向けて輸出するようになったが、サンプルを送って返事が来るまでに数か月掛かり、価格交渉も今のようにメールで瞬時にやり取りができる訳ではない。コーヒーが売れるまで農園は、現金収入が無いから労働者に賃金も払えない。農園労働者は、家族と共に農園内で生活していて、生活必需品も農園の経営するよろず屋で購入していた。そこで農園内で流通する硬貨を作り急場を凌ぎ、代金が届くと通貨と交換した。これはコトワ農園に限ったことではなく、当時そこそこの規模でコーヒー栽培をしていた農園は、農園内のみで通用する硬貨を持っていた。しかしコトワの硬貨は、オーナーの人柄と信用からボケテの町の商店でも通用したそうだ。

現在は、4代目のリカルド コイナーが受け継いだ伝統的な製法に、近代的な農法を取り入れて素晴らしいコーヒーを生産している。彼はホンジュラスにある中米でも屈指の名門であるサモラーノ農業学校を卒業し、その後フロリダ大学農学部を卒業、さらに同大学で環境開発学と経営学の修士号を取っている。バルー火山の自然の恵みに敬意を抱き、生物の多様性を守りながら、地元インディオと共にコーヒー栽培に取り組んでいるこの農園のコーヒーは既に知名度が高い。

Geisha Washed


2008年からグラン クリュ カフェを出荷しているコトワ農園のオーナー、リカルド コイナーとは、いつか農園内で昼夜の気温差が一番大きい畑リオ クリスタルで、最高級のコーヒー栽培に挑戦しようと話していました。しかし数年前、彼がこの畑にゲイシャ種を植えると言った時には驚きました。まさか栽培の難しいゲイシャ種で挑戦するとは思ってもみなかったからです。ゲイシャ種はエチオピアの生まれの原種で、雨の多い場所を好み、風の影響を受けにくい環境ではよく育ち、見事な風味を醸し出す品種です。しかし、環境が合わないと成長が非常に遅い上に開花も少なく、時に生産者をがっかりさせます。そのため、リオ クリスタルの気温の低さがこの品種に適しているのか不安でした。
予想通りの成長の遅さにヤキモキさせられましたが、2013年に初めて収穫した豆の風味は見事なものでした。それ以来、特級畑リオ クリスタルで作られるゲイシャ種は、秀逸な風味と希少価値から「グラン クリュ カフェ リミテッド」ブランドとして、多くのコーヒーラバーズを虜にしてきました。それはまさにコーヒーの宝石。素晴らしい風味をご堪能ください。


「リオ クリスタル ゲイシャ バーガンディ ナチュラル」は果実の果肉を取り除かずに乾燥させる精選方法で仕上げたのに対し、「ゲイシャ フラジャイル」は、収穫後に果肉を取り除き、水洗してから天日乾燥させる昔ながらの精選方法"ウォッシュト(水洗式)"で仕上げました。
農園の特級畑リオ クリスタルは、標高1,900mという高地のため、昼夜の気温差が大きく、ゆっくりと熟し、高密度のコーヒーが生まれます。その実は熟練の摘み手により一粒一粒収穫され、果肉を取ってから農園内の澄んだ湧き水で水洗いし、100パーセント天日乾燥で精選されます。その後、サイズ選別、比重選別、色別選別、ハンドソーティング(手選別)を経て厳選され、鮮度を落とさないよう空輸で日本に運ばれてきました。このように「ゲイシャ フラジャイル」の誕生には全工程で多くの時間と手間がかけられ、品質を落とさぬよう細心の注意をもって扱われます。しかし、それだけの価値があるコーヒーなのです。同じ特級畑でできた「リオ クリスタル ゲイシャ バーガンディ ナチュラル」との飲み比べも楽しい試みです。ぜひその素晴らしい風味をご堪能ください。
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