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パナマ

コトワ農園 リオ クリスタル ゲイシャ バーガンディ ナチュラル

特級畑「リオ クリスタル」で収穫されたゲイシャ種を、"ナチュラル(非水洗式)"で仕上げました。果肉がついたまま乾燥させるナチュラルの精選方法では、コーヒーチェリーを一粒ずつ重ならないように広げ、数時間ごとに反転させ、太陽と風で徐々に乾燥させていきます。その生産量は農園全体の僅か0.2パーセントのみ。農園主リカルドとミカフェートが作った希少なコーヒーです。

【風味の傾向】
プラムをイメージさせるアロマ、オレンジピールとカカオの風味が舌を包み込むように広がる。まろやかで甘いアフターテイスト。
生豆生産国:パナマ
生豆産地:チリキ県 ボケテ地方
農園:コトワ
セクション:リオ クリスタル
農園主:リカルド コイナー
標高:1,900m
栽培品種:アラビカ種 ゲイシャ
サイズ:スクリーン 16~18

味、香りの特徴

2013年度

完熟したベリーやワインのようなアロマとフレーバーに、オレンジピールやカカオの風味が織り重なる、華やかで複雑な印象。甘くうっとりするような余韻が長く続く。

2014年度

プラムやブルーベリーの果実香にシナモンのニュアンス。爽やかな酸は洋ナシのよう。複雑に広がるフレーバーで、アフターにサクランボジャムや軽めの赤ワインを感じる。飲んでいてうっとりさせる妖艶なイメージ。

2015年度

濃厚な甘いフルーツの風味。口に広がる余韻は蜜のように甘く、まさに貴腐ワインを思わせる。

2016年度

甘く華やかなフルーツの風味。ハチミツのような濃密な質感。後味の甘酸っぱさがさわやかな印象を残す。

2017年度

イチゴ、白桃の熟れた甘みの強い風味。生クリームのような質感。余韻にベルガモットの香りを感じる複雑な味わい。

2018年度

グランマニエを思わせる甘い風味。透き通った水のような質感でいて粘性のある香気。ゆっくりと豊かに味蕾を潤していく旨み。雨後の美しい曙光が段々にあらわれるように広がる余韻。

2019年度

目をつぶってもそこに自然と吸い寄せられてしまう、甘く複雑で、強い香り。そこに続くのは、ドラゴンフルーツ、オレンジ、グレープフルーツなど様々な果実と、蜜があふれ出るかのようなグラマラスな花弁の甘味。幾層にも重なったフレーバーは口にふれる度に新たなニュアンスをもたらし、いつまでも口の中にとどまっていて欲しい愛おしさには、惜別の念すら感じさせる。

2020年度

一目一口でゲイシャナチュラルと理解できる強烈なインパクトと個性は、安定した絶対的存在感。ありとあらゆるフルーツを詰め込んだかのような複雑さがありつつも、分厚い甘みが調和を保つ。ウォッシュトの面影も見え隠れし、透明感さえ獲得した比類無きバランスは、時を忘れるほどの陶酔感をもたらす。

2021年度

チェリーやブラックベリー、ラズベリーなど千紫万紅のヴェールに包まれ、ドライフルーツを思わせる濃厚な甘みと共に、柑橘系の酸が燦爛と輝く。紅茶にも似た上品な円やかさと渋さの中で、多様なフレーバーが次々と花開く。口に運ぶ度、新しい発見がある複雑なキャラクターはまさに比類なき一品。

コトワ農園について

創始者はカナダの政治家アレグザンダー・ダンカン・マッキンタイアー。1918年、政争に疲れ果て新天地での暮らしを夢見ていた彼は、新聞でパナマのコーヒー名産地、ボケテを知り興味を抱いた。早速、現地へ赴き、ミステリアスなバルー火山の麓に広がる景色と爽やかな気候に魅入られて移住を決意し、コーヒー栽培を始めた。当時は、電力がボケテに届いていなかったため、バルー火山から流れる豊富な水を利用して水力発電のコーヒー精選工場を作り、すべて自然の状態で栽培から精選・乾燥まで行った。

収穫が始まりヨーロッパに向けて輸出するようになったが、サンプルを送って返事が来るまでに数か月掛かり、価格交渉も今のようにメールで瞬時にやり取りができる訳ではない。コーヒーが売れるまで農園は、現金収入が無いから労働者に賃金も払えない。農園労働者は、家族と共に農園内で生活していて、生活必需品も農園の経営するよろず屋で購入していた。そこで農園内で流通する硬貨を作り急場を凌ぎ、代金が届くと通貨と交換した。これはコトワ農園に限ったことではなく、当時そこそこの規模でコーヒー栽培をしていた農園は、農園内のみで通用する硬貨を持っていた。しかしコトワの硬貨は、オーナーの人柄と信用からボケテの町の商店でも通用したそうだ。

現在は、4代目のリカルド コイナーが、受け継いだ伝統的な製法に、近代的な農法を取り入れて素晴らしいコーヒーを生産している。彼はホンジュラスにある中米でも屈指の名門であるサモラーノ農業学校を卒業し、その後フロリダ大学農学部を卒業、さらに同大学で環境開発学と経営学の修士号を取っている。バルー火山の自然の恵みに敬意を抱き、生物の多様性を守りながら、地元インディオと共にコーヒー栽培に取り組んでいるこの農園のコーヒーは既に知名度が高い。

待望のリオ クリスタルのゲイシャ種


2008年からグラン クリュ カフェを出荷しているコトワ農園のオーナー、リカルド コイナーとは、いつか農園内で一番温度が下がる畑リオ クリスタルで、最高級のコーヒー栽培に挑戦しようと話していました。しかし、数年前に彼がこの畑にゲイシャ種を植えると言った時には驚きました。まさか栽培の難しいゲイシャ種で挑戦するとは思ってもみなかったからです。

ゲイシャ種はエチオピアの生まれの原種ですが、とても気難しいコーヒー樹で、環境が合わないと成長も非常に遅い上に開花も少なく、生産者をがっかりさせます。他の品種に比較して雨の多い場所を好み、風の影響を受けにくい環境ではよく育ち、見事な風味を醸し出す品種です。しかしリオ クリスタルの低温が、この品種に適しているのか不安でした。栽培が始まり、予想通りの成長の遅さにヤキモキさせられましたが、ようやく今年初めての収穫を迎えました。高地で寒暖の差が大きいため、この地域でも一番遅く収穫された密度の高いコーヒーです。



ゲイシャ種は、新葉がブロンズ色と緑色の2タイプありますが、ブロンズはナチュラル(非水洗式)で仕上げるのに適しています。そのブロンズのチェリーのみを収穫し、赤い果肉を取らずにそのまま天日でじっくり乾燥させたのが、リオ クリスタル ゲイシャ バーガンディ ナチュラルです。
果肉を取り除いてから乾燥させるウォッシュト(水洗式)では、天日で乾燥させるのにおよそ10~12日かかりますが、果肉が付いたままのナチュラルの精選方法では、その倍の時間を要します。それもただ広げておくのではなく、一粒ずつを重ならないように広げ、数時間おきに豆を反転させ、太陽と風で徐々に乾燥させていきます。
独特のフローラルな香りで有名になったパナマのゲイシャ種を、かつて誰も植えなかったような高地で栽培し、個性を強める為にあえて手間のかかるナチュラル仕立てにしました。リオ クリスタル ゲイシャ バーガンディ ナチュラルの量は、コトワ農園の総生産量の僅か0.2パーセントのみ。これは、オーナーのリカルドとミカフェートが、皆さまのために作ったコーヒーの宝石です。
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