偶然の出会いから見出された、未知のコーヒー
エル サルバドルは、僕がコーヒーの勉強をした第二の故郷であり、内戦に巻き込まれて亡くなった親友達の眠る国。僕にはこの国の最高のコーヒーを紹介する義務がある。
2008年1月、偶然通りかかった農園で見たこともないコーヒー樹に出くわした。実を食べてみると甘くてとてもジューシーだった。農園の管理人はそれをケニア種だと言うが、聞いたこともないし植物学的にも存在しない。時間が迫る中、オーナーには直接話すからと管理人を説得し、完熟豆だけを収穫して水洗工場に出荷するよう頼み、慌てて農園を後にした。