コトワ農園の素晴らしい取り組み

収穫が始まりヨーロッパに向けて輸出するようになったが、サンプルを送って返事が来るまでに数か月掛かり、価格交渉も今のようにメールで瞬時にやり取りができる訳ではない。コーヒーが売れるまで農園は、現金収入が無いから労働者に賃金も払えない。農園労働者は、家族と共に農園内で生活していて、生活必需品も農園の経営するよろず屋で購入していた。そこで農園内で流通する硬貨を作り急場を凌ぎ、代金が届くと通貨と交換した。これはコトワ農園に限ったことではなく、当時そこそこの規模でコーヒー栽培をしていた農園は、農園内のみで通用する硬貨を持っていた。しかしコトワの硬貨は、オーナーの人柄と信用からボケテの町の商店でも通用したそうだ。
現在は、4代目のリカルド コイナーが、受け継いだ伝統的な製法に、近代的な農法を取り入れて素晴らしいコーヒーを生産している。彼はホンジュラスにある中米でも屈指の名門であるサモラーノ農業学校を卒業し、その後フロリダ大学農学部を卒業、さらに同大学で環境開発学と経営学の修士号を取っている。バルー火山の自然の恵みに敬意を抱き、生物の多様性を守りながら、地元インディオと共にコーヒー栽培に取り組んでいるこの農園のコーヒーは既に知名度が高い。