パカマラ

パカマラ亜種は、ブラジルで生まれたティピカ亜種からの突然変異種マラゴジッペと、エル サルバドルで生まれたブルボン亜種からの突然変異種パーカスの人工交配種です。両種の良いとこ取りをした栽培種で、大粒の美味しいコーヒーが採れます。この交配種を作ったのは、僕がコーヒー栽培を勉強し、当時世界トップクラスの研究機関だったエル サルバドル国立コーヒー研究所(ISIC)です。この研究所は、その後の内戦・革命を生き抜きましたが、農地開放政策とコーヒー産業の国有化の失敗で、研究所も消滅してしまいました。
しかしISICが作ったパカマラ亜種は、その品質の良さとインパクトある見栄えの豆で、中南米の産地で栽培する産地が増えてきています。サン ルイス農園のピンク ブルボン プレミアムは、コーヒーハンターズで既に販売(※オンラインではマンスリーデリバリーサービスのみ)され、多くのコーヒーファンを魅了しています。農園主のエルネスト・マティスは、この農園の一画にエル サルバドル生まれのパカマラを植えました。マティス家のコーヒー栽培の歴史は、1800年代後半まで遡ります。初代は、エル サルバドルにブルボン種を紹介し、積極的に栽培を広めました。ですから、いまでもブルボン亜種が、エル サルバドルの主栽培種になっています。サン ルイス農園の近くにある、Grand Cru Caféを生産するセルバ ネグラ農園も一族の農園で、本当にコーヒーを知り抜いた一族です。
エルネストのような若い生産者が、エル サルバドルコーヒー産業の復興を成し遂げることを期待します。