インサ

コロンビア南部のインサは、先住民のティエラデントロ文化が栄えた秘境で、以前から高品質のコーヒー産地として知られていましたが、市場に安定供給するのが難しい地域でした。反政府ゲリラの勢力範囲だったアンデスの4,000m級の峠を越さなければならず、その上雨が降ると土砂崩れが多発し長期間道路が不通になったからです。

2010年にやっとインサにたどり着くことができ、小農家を訪ね歩きその品質を確認できましたが、それらのコーヒーの集荷を頼む信頼できる仲買人で出会うことができず諦めました。仲買人を、生産者から搾取する極悪非道な輩のようにいう人々がいますが、全ての仲買人がそうではありません。犯罪集団に襲われるリスクを背負って、人里離れた悪路を走り回り、集荷をする仲買人がいるからこそ、生産者がコーヒーを販売できるのです。特に小農家が多いこの地域には、車を持たない貧しい生産者が多く、なくてはならない存在です。2013年にようやく信頼できる仲買人、ホセと巡り会うことができました。ミカフェートが求める品質と基準、そしてインサのコーヒーを日本に初めて紹介したいという私の想いに理解を示し、期待通りの仕事をしてくれたホセのおかげで、インサのコーヒーを日本に紹介することができるようになりました。