標高2,000メートルの奇蹟 受け継がれた誇り
サン セバスティアン農園との出会いをきっかけに、僕はコーヒーの品質にそれまで以上にこだわるようになった。初めて訪れたのは、1989年の2月。エル サルバドルのコーヒー研究所時代の恩師で、内戦中にゲリラから脅迫に遭い、家族と共にグアテマラに脱出してそのまま居付いてしまったアギレラ先生が、「お前に見せたい素晴らしい農園がある」と言って案内してくれた。それは4代目代表者マリオ ファジャとの運命的な出会いだった。
マリオが、農園と水洗工場を隅々まで案内してくれたが、栽培技術、水洗加工・乾燥・選別技術どれをとっても素晴らしく全身が震えるほど感激した。エル サルバドルで栽培技術を勉強し、世界最高と言われたジャマイカのブルーマウンテンコーヒーの農園開発を成し遂げ、少なからずプライドがあったし自分が作った農園に愛着と誇りがあった。